「偈」について

流祖辻月丹は元禄六年45歳の時忽然と悟りを開き、石潭良全禅師から偈を授けられました。

動  吹  乾  一
着  毛  坤  法
則  方  得  実
光  納  一  無
清  密  貞  外

読み
 一法は実に外なし(いっぽうは じつに ほかなし)
 乾坤に一貞を得(けんこんに いっていを え)
 吹毛方に密に納む(すいもうほうに みつに おさむ)
 動着すれば則ち光清し(どうちゃくすれば すなわち ひかりきよし)

解説 
大森曹玄老師の解説(中川申一著「無外真傳兵道考・偈解」より抜粋)

一即ち絶対の真理とか、真実の道とか言われるもの以外は何も無い。全てはこの一、即ち絶対の現れたものである。

天地乾坤(天地というような意味)の大といえども、初めて動揺のない、即ち万古不動の正しさ(貞)を得ているのである。

その一なるものは、毛を吹きつければ即座に斬れるような吹毛の剣の鋭さを持っているが、これはどこにあるかと言えば、わが方寸の心(密)に納められる。

しかもそれは、僅かに動くときは、その清々しい光輝が燦然と輝くものである。